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犬に最適な温度と湿度は?犬の熱中症と予防・対策について

近年は犬の熱中症に対する啓蒙も増えていることから、太陽の下でなくとも、車内や自宅においても熱中症に気をつけなければならないということは、広く知られてきているかと思います。

特に犬が熱中症を発症すると、命を落としてしまう割合も30%〜50%の確率とかなり高め。そのため、まずは熱中症を発症させない対策と知識が最も大切になってきます。

本記事では犬の熱中症に対する知識を高めるため、熱中症の発生しやすい場所、熱中症リスクの高い犬種、犬にとって最適な気温と湿度などについて解説していきたいと思います。

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最も多く犬が熱中症を発症する場所は?

プールに飛び込む犬

最も多く犬が熱中症を発症する場所は「散歩中」や「ドッグラン」、続いて「家のリビング」という調査結果が、アニコム損害保険株式会社によって報告されています。

  • 散歩中・ドッグラン:48.0%
  • リビング:44.0%
  • 旅行先、その他:8.0%

上記の割合を見てみると、リビングの割合が思っていたよりも多いという印象ではないでしょうか。

家のリビングで熱中症になるということは「家を締めきっている留守中に熱中症を発症してしまった」と思いがちですが、実はそうではありません。

同様の調査によると、留守中に熱中症を発症したという割合は36.4%、一方、家族も家にいたのに熱中症を発症したという割合が63.6%という驚きの結果が出ているのです。

在宅中でも熱中症のリスクは存在します

この結果を見ると、愛犬や愛猫はもちろん、飼い主さんも危険な状況であるということがわかります。

留守にさせる時はクーラーや扇風機など、できる限りの熱中症対策を行ってから外出するという方も多いと思います。

しかし、家族が家にいるときは熱中症対策も油断してしまいがちですので、在宅中でも十分に注意する必要があります。

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熱中症にかかりやすい犬について

遠くを見つめる犬

熱中症は外出時だけではなく、自宅にいる時にも十分に注意しなければならないことがわかりましたが、犬の年齢や犬種によっても注意しなければなりません。

特に「仔犬」や「老犬」は温度管理にも細心の注意が必要になります。

また、呼吸器系疾患のある犬をはじめ、病中・病後の犬や肥満体型の犬も温度管理は重要なポイントになります。

犬は呼吸をすることで体内の温度調節を行いますが、呼吸器系に疾患を持っている犬は思うように呼吸や温度調節を行うことができません。

熱中症だけでなく持病を悪化させる要因となりますので、温度管理や湿度管理は徹底するようにしましょう。

呼吸器系に問題を抱えやすい短頭種の犬は注意!

短頭種の犬は特に熱中症のリスクが高いです。

パグやフレンチブルドッグ、シーズー、ボストンテリアといった短頭種の犬種は熱中症対策をしっかりと行わなくてはなりません。

短頭種の犬はマズル(鼻の部分)の長い犬種に比べて気道が短いので、呼吸器系の疾患にかかりやすいと言われています。

気道が短い=呼吸がしにくいということもあり、マズルの長い犬種よりも温度管理・湿度管理に注意しなければなりません。

長毛種の犬ももちろん注意!

当然?ながら長毛種の犬種も熱中症対策は必須です。

見るからに暑苦しい容姿ですが、特に原産国が寒い地方である長毛種の犬種は寒さを凌ぐために進化してきているため、日本のように高温多湿の環境は苦手な環境と言えます。

本格的に暑くなる前に、ブラッシングをしっかりと行ってムダ毛を取り除き、できるだけ毛の中に温度がこもらないような状態にしてあげる事が大切です。

犬に最適な温度・湿度はどれくらい?

フレンチブルドッグの寝顔
Photo credit: wuestenigel on VisualHunt.com / CC BY

犬に最適な温度は20℃〜25℃、湿度は約50%〜60%です。

犬の熱中症は、直腸温が41℃以上である場合に熱中症と判断され、体の様々な部位にダメージが起き始めます。

筆者が最も信頼しているサイト「子犬のへや」によると、犬の脳は42℃の場合は45分程度で限界を迎え、43℃になると15分程度で限界を迎えてしまうとのこと。

限界=死亡を意味しますが、それ未満でも脳や体に致命的なダメージが加わる事でしょう。

そこで必要になるのが、犬に最適な温度や湿度の知識です。

ただし、犬種や犬の状態によって、必ずしもすべての犬が同じ温度・湿度であるわけではありませんので、あくまでも参考値として理解しておくようにしましょう。

犬に最適な温度は?

犬にとって最適な温度・湿度は季節によっても微妙に異なりますが、1年を通じて20℃前後、特に夏は28℃を上回らないように注意しましょう。

温度を超えたからと言ってすぐに体調を崩すわけではありませんが、注意が必要になる目安の温度として理解しておくと良いでしょう。

また、暑いからと言ってクーラーが効きすぎていたり、寒いからと言って常に暖かいような環境は、逆に犬の体温調節機能を弱らせてしまうことに繋がります。

適度にゆるやかな寒暖差を与えてあげることも、犬の体を弱らせない対策となります。

犬に最適な湿度は何%?

犬に適した湿度は、50%〜60%程度を目安にすると良いでしょう。

ただし、呼吸器系にトラブルを抱えている犬などは湿度70%前後がベストな場合も。呼吸の仕方や咳などの症状を注意深く観察し、愛犬の状態にベストな湿度を判断することが大切です。

湿度の管理は難しいので、空気清浄機や加湿器で部屋の湿度をコントロールするのがおすすめです。

「犬の熱中症週間予報」を確認してみよう!


ペット保険大手のアニコム損害保険株式会社では、2013年から犬の熱中症予防に取り組んでおり、飼い主さんにもわかりやすいような「犬の熱中症 週間予報」が例年、ゴールデンウィーク前から発表されています。

この犬の熱中症週間予報では、「厳重警戒」「警戒」「注意」「やや注意」の4段階で熱中症の危険度が表されており、全国10箇所の予報を確認することができます。

お出かけのタイミングや毎日の散歩など、その日がどれくらい熱中症の危険度が高いのかを確認できるので、週に1度は確認しておきたいものです。

週間予報を確認して熱中症の予防策を

犬の熱中症週間予報を確認するには、アニコムのSNSをフォローしておきましょう。SNSはフェイスブック、もしくはインスタグラムで発表されます。

熱中症対策に有効な食べ物

キウイの断面
Image by Alexa from Pixabay

熱中症対策で大事なのは水分を与えること。

もちろん、水分を取らせていれば熱中症にならないというわけではありませんが、最低限の対策として、水は常に切らさないようにしておくことが大切です。

また、連日のように暑い日が続くと犬の食欲も低下しがちです。そんな時は適度に果物を取り入れるようにして、食欲増進を図ってみましょう。

水分量の高い果物が特にオススメで、スイカいちごキウイといった果物は、犬にも安心して与えることのできます。

中でもキウイは栄養価も高く、バランスの取れた果物なのでおすすめですよ。

まずは少量ずつ、消化を確認しながら与えましょう

初めての果物を与える際には、まずは少量から与えるようにし、愛犬がしっかりと消化できるかを確認するようにし、アレルギー反応が起きないかをチェックするようにしましょう。

また、キウイは栄養価も高いですが「シュウ酸」も含まれる食べ物なので、残念ながら尿路結石(シュウ酸カルシウム結石)を経験した事のある犬は避けたほうがよいです。

さいごに

犬の熱中症は何時起きてもおかしくない、非常に恐ろしいものです。対策の一つとしてすぐに駆けつけられる動物病院をチェックしておくことも大切です。

記事中でも触れましたが、熱中症を発症してから、ひどい場合では15分程度でかなり危険な状態に陥る場合もあるため、熱中症発症後は1分1秒を争う事態となります。

熱中症対策を講じることは当然ながら、ペット保険などにも加入しておくとより安心です。万が一の事も考え、近隣の動物病院を調べておくようにしましょう。

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