フレンチブルドッグの子犬

短頭種の犬は飛行機に乗れる?航空会社10社の預かり状況をチェック

「短頭種」の犬が飛行機で移動するには気圧の変化や熱中症による影響など、命に関わる大きなリスクが伴うため、航空会社によっては短頭種の預かりをしていないところもあります。

そこで今回は、航空会社によって異なる短頭種の預かりの違いや、犬種によって乗れる・乗れないの違いについて解説していきたいと思います。

短頭種を飼っていても飼っていなくても、飛行機の移動についてのリスクを理解しておくことは大切なので、本記事を参考にあらためて移動手段について検討してみましょう。

PR
PR

国内線の犬の預かり可能状況

飛行機と青空

犬を連れての飛行機移動には、犬にとって少なからずリスクが伴う移動方法となるため、航空会社によって犬の預かり状況も異なるものになっています。

中でも「短頭種」の犬は命にかかわる大きなリスクが伴うため、短頭種の預かりをしていない航空会社もあります。

新千歳空港発着の航空会社10社を参考に、短頭種の預かりが可能かどうかを見ていきましょう。

※2020/01/08現在
航空会社
短頭種除く
短頭種
ANA (5月1日〜10月31日は不可)
JAL (6月1日〜9月30日は不可、フレンチ含むブルドッグは通年不可)
AIR DO (6月1日〜9月30日は不可)
peach × ×
ジェットスター × ×
Air Asia × ×
スカイマーク (一部不可の犬種あり)
フジドリームエアラインズ (フレンチ含むブルドッグは通年不可)
アイベックスエアラインズ (5月1日〜10月31日は不可)
スプリングジャパン × ×

短頭種に代表される主な犬種

ボクサーの画像

短頭種に分類される代表的な犬種には、

  • ボクサー
  • シーズー
  • ブルドッグ
  • チャウチャウ
  • パグ
  • ペキニーズ

等の犬種が挙げられます。

短頭種と言えばパグやブルドッグ、シーズーなどの犬種が代表的な犬種ですが、人気犬種のチワワも短頭種の犬種に分類されます。

2013年には実際に飛行機輸送による事故で、チワワが犠牲になっているケースもありますので、愛犬の体調管理を含めて預ける前には十分な注意が必要となります。

テリア系・スパニエル系の犬種も短頭種に該当

「キャバリア・キングチャールズ・スパニエル」や「チベタン・スパニエル」などのスパニエル系の犬種も短頭種に分類される犬種で、飛行機への預かりが制限されている場合があります。

また、「ボストン・テリア」や「ブル・テリア」など、一部のテリア系も短頭種に該当しています。

たとえリストに犬種名がなくとも、短頭種と条件は同じと理解しておいたほうがよいでしょう。

ミックス犬や雑種でも短頭種は危険

上記で紹介した短頭種だけでなく、短頭種のミックス犬や雑種犬も鼻ぺちゃであれば短頭種に分類されます。

飼い主さん自らが短頭種の違いを理解し、呼吸器系にトラブルがないかを把握しておかなければなりません。

愛犬が短頭種に該当するかどうか微妙である場合や、飛行機移動に心配がある場合には、事前に動物病院で相談してみましょう!

特に注意が必要なブルドッグ

french bulldog puppy

フレンチ・ブルドッグを含め、ブルドッグは短頭種の中でも特に注意が必要な犬種となっています。

ブルドッグは年間を通じて飛行機への預かりができない場合が多い犬種ですので、飛行機ではない輸送手段を検討するのが安心です。

飛行機輸送でブルドッグが犠牲になった事件

2018年には飛行機への同乗によって、生後10ヶ月のフレンチ・ブルドッグが犠牲になった海外の例もあります。

ただし、この一件はユナイテッド航空の客室乗務員による誤った指示によるもので、本来は乗客の座席下に置いておくべきペットを、座席上部の荷物置きに入れるよう指示したとのこと。

他の乗客もこのやり取りを目撃しており、Twitterにて情報を発信したところ大きな騒ぎに。ユナイテッド航空は全面的に非を認める形となりました。

PR

各航空会社の預かり不可犬種

ペキニーズの画像

犬の預かりは可能であっても、時期によって短頭種の預かりをしていない航空会社、特定の短頭種の預かりをしていない航空会社など、それぞれが異なる条件となっています。

短頭種の預かりが可能な航空会社が定めている犬種の一覧(2020/01/10時点)を見ていきましょう。

国内線の飛行機 犬の預かり不可犬種
ANA

該当犬種
ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、ボクサー、シーズー、ボストン・テリア、ブル・テリア、 キングチャールズ・スパニエル、チベタン・スパニエル、ブリュッセル・グリフォン、チャウチャウ、パグ、チン、 ペキニーズ

ANAでは上記の犬種が5月1日〜10月31日の夏期間、預かりが不可となっています。

国内線の飛行機 犬の預かり不可犬種
JAL

該当犬種
アーフェンピンシャー、イタリアン・コルソ・ドック、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、キング・チャールズ・スパニエル、シーズー、シャー・ペイ、スタッフォード・シャー・ブル・テリア、チベタン・スパニエル、チャウチャウ、チン、パグ、ピット・ブル、ブル・テリア、ブリュッセル・グリフォン、ペキニーズ、ペロ・デ・プレサ・カナリオ、ボクサー、ボストン・テリア、ボルドー・マスティフ、マスティフ、ラサ・アプソ

上記の犬種は6月1日〜9月30日の夏期間、預かり不可となっており、フレンチ・ブルドッグとブルドッグは年間を通じて預かりが不可となっています。

比較的珍しい犬種も指定されているなど、JALは他の航空会社よりも細かく犬種の指定が行われている印象です。

国内線の飛行機 犬の預かり不可犬種
スカイマーク

該当犬種
パグ、シーズ-、ボストン・テリア、ペキニーズ、チン、ボクサー、ブルドッグ、チベタン・スパニエルなどの短吻種犬

スカイマークでは上記犬種が年間を通じて預かり不可となっています。

国内線の飛行機 犬の預かり不可犬種
フジ ドリーム エアラインズ

フジドリームエアラインズは年間を通じてフレンチ・ブルドッグ、ブルドッグの預かりが不可となっていますが、他の短頭種に関しての指定はありません。

国内線の飛行機 犬の預かり不可犬種
AIR DO

該当犬種
ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、ボクサー、シーズー、ボストン・テリア、ブル・テリア、キングチャールズ・スパニエル、チベタン・スパニエル、ブリュッセル・グリフォン、チャウチャウ、パグ、チン、ペキニーズ

エア・ドゥでは、上記の犬種が6月1日〜9月30日の夏期間、預かり不可となっています。

ただし「キャバリア・キングチャールズ・スパニエル」や「アメリカン・ピット・ブル・テリア」など、「上記13種以外は類似した名前であっても受託可能」という注釈も入っているので、短頭種の預かりについてはそこまで厳しくない印象です。

国内線の飛行機 犬の預かり不可犬種
アイベックスエアラインズ

該当犬種
ブルドッグ、フレンチブルドッグ、ボクサー、シーズー、ボストン・テリア、ブル・テリア、キングスチャールズ・スパニエル、チベタン・スパニエルブリュッセル・グリフォン、チャウチャウ、パグ、チン、ペキニーズ

アイベックスエアラインズでは、上記の犬種が5月1日〜10月31日の夏期間、預かり不可となっています。

PR

なぜ短頭種(短吻種)の犬が危険なのか

キャバリアの画像

犬の種類を区別する場合に、一つのポイントとなるのがマズル(目元から鼻の部分)の長さです。

マズルの長さには大きく分けて3つの種類に分けることができますが、「短頭種(または短吻種)」の犬種は、犬の頭蓋骨よりもマズルの長さが短い犬種です。

マズルの長さ 代表的な犬種
長頭種 頭蓋骨の幅よりも長い ダックスフンド、ボルゾイなど
中頭種 頭蓋骨の幅と同じくらい コッカースパニエルなど
短頭種 頭蓋骨の幅よりも短い ブルドッグ、パグなど

短頭種は口呼吸が多く体温調節が苦手

鼻ぺちゃと呼ばれる短頭種の犬は、潰れたような鼻が特徴的でマズルの長い犬種には無い、かわいらしい容姿を持っています。

しかし、その反面デメリットとなっている部分も多く、特に注意しなければならないのが体温調節が苦手である点です。

本来であれば長いマズルを利用して鼻呼吸を行ないますが、人為的に改良された短頭種の犬種は鼻呼吸がしにくく、口呼吸がどうしても多くなってしまいます。

口呼吸が多くなると、今度は心臓への負担が増加してしまい、結果として体の体温調節が上手くいかなくなるわけです。

犬は客室ではなく貨物室

飛行機の貨物スペース
nickyhardingukによるPixabayからの画像

航空会社に犬を預ける場合には、犬は客室ではなく貨物室に預けられます。

犬を預けることの出来る航空会社では、貨物室での輸送環境も比較的安心であるとは言え、客室のような温度環境ではありません。

気温の高くなる5月〜10月の夏期間は各航空会社も預かりを避けている通り、貨物室内の温度も高くなってしまうため、熱中症などを引き起こしてしまう可能性が高くなります。

普段の生活でも熱中症の心配が多い短頭種ですので、気圧や湿度の変化に加え、温度上昇も避けられない飛行機の貨物室は、非常にリスクの高い移動手段となってしまうのです。

短頭種(短吻種)に限らず注意は必要です!

短頭種と航空会社の預かりの違いについて説明してきました。

まず理解しておきたいのが、必ずしも短吻種が飛行機に乗ると命を落とすというわけではなく、あくまでもリスクが高いということ。そして短頭種だけではなく、他の犬種でもリスクがあるという事です。

犬と飛行機移動を考えているのであれば、まずは利用する航空会社の受入状況を確認するようにし、愛犬が飛行機移動できる体調かどうかの判断も動物病院で確認してみましょう。

PR