パグ

犬や猫の短頭種・短吻種の意味と呼び方・読み方を解説

パグやフレンチ・ブルドッグなど、愛称をこめて「鼻ぺちゃ」と呼ぶことが多い犬たちは「短頭種(たんとうしゅ)」もしくは「短吻種(たんふんしゅ)」とも呼ばれますが、どちらが正確な名称?という議論が出ることもあるようです。

結論を言うと「短頭種」が正解となりますが、本記事では短頭種という呼び方がなぜ正確な名称なのか、短吻種とはどういう意味を持つのかを、英語表記も交えて詳しく解説していきたいと思います。

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鼻ぺちゃの犬や猫は短頭種?短吻種?

エキゾチックショートヘア

冒頭でも説明しましたが、鼻ぺちゃの犬や猫は「短頭種」という名称が正解となります。

これは短頭種もしくは短吻種、どちらの呼び方でも良いということではなく、「短頭種」が正しい呼び方になります。

因みに”口吻(こうふん)“の「吻(ふん)」とは、くちびるや口を意味します。「接吻(せっぷん)」と聞くとわかりやすいですね。

短頭種に限らず、「小型犬・大型犬」「胴長・脚長」といったように、犬や猫が持つ身体的な特徴によって、それぞれの種類が分類されています。

今回のお話で行くと、「鼻の短さ」や「口の短さ」が身体的な特徴となりますが、実際にはどのような基準で分類をしているのか、詳しく見ていきましょう。

「頭蓋骨:口吻部(マズル)」の割合で判断

犬のマズル比較画像1
こうして並べると明確ですが、長頭・短頭で分類する際は「頭蓋骨:口吻部(鼻と口の部分)」の割合で判断をします。一般的に「マズル」と呼ぶのは、この口吻部のことになりますね。
犬のマズル比較画像2
ざっくりした線の引き方ですが、「後頭部から目元までの頭蓋骨部分」と「目元から鼻先までの口吻部」を線で分けると、下のようなイメージになります。
完全な真横でないので、幅がわかりにくくてすいません

短頭種は圧倒的に口吻部が短いですね。因みに犬のマズルの長さは下記の3つの種類に分類することができます。

  • 短頭種:口吻部が短く、頭蓋骨のほうが長い
  • 中頭種:口吻部・頭蓋骨ともに同程度の長さ
  • 長頭種:口吻部が長く、頭蓋骨のほうが短い

今回のように鼻の形や特徴、マズルの長さで犬の種類を分類する場合もあるわけですが、「鼻が短い(潰れた)」犬なのに「頭が短い」という呼び方が混乱を招くのかもしれませんね。

短吻種の犬に鼻腔系の疾患が多い理由とは?

画像だけを見るとわからないかもしれませんが、短頭種は鼻が短い分、中身もギュっと頭蓋骨部分に押し込められているので、頭蓋骨の”長さ”としても短いという事が言えます。

中頭種や長頭種と比べ、短頭種は嗅覚に必要となる部位の面積が小さいため、鼻が悪い子が多かったり、鼻腔系の疾患が多かったりします。

口が短い「短吻種」ではなく、頭蓋骨の割合が小さい「短頭種」。

口吻部の短さでは学術的にも説明がしにくいため、短頭種という呼称なのかもしれませんね。

短頭種と短吻種を漢字や英語で表記すると?

チワワ

混雑しやすい両方の呼び方ですが、漢字や英語で見ると少し区別しやすいので紹介します。

  • 短頭種:「短い頭の種類」を意味している
  • 短吻種:「短い口(吻)の種類」を意味している

続いて英語表記では、以下の通りになります。

  • 短頭種:Brachycephaly(breeds)
  • 短吻種:Short snout

短頭種は英語で「Brachycephaly」と訳されます。

“Brachy”で”短い〜”を意味し、”cephaly”は疾患を意味しており、「短い頭の疾患」とまではいかずとも、Brachycephalyは「短頭」という意味に訳されます。

一方、「短吻種」はシンプルに”短い鼻”を指す「Short snout」という訳になります。

短頭種に多い「短頭種気道症候群」

遠くを見つめる犬

病名から確認すると、より明確になります。

ブーブーといった音を立てて呼吸したり、睡眠中にも大きないびきをかく症状で知られる「短頭種気道症候群」。

短頭種の犬に多くみられる呼吸器疾患の一つで、日本語の疾患名の中にも”短頭種”の呼称が入っていますね。

一方、英語表記になると短頭種気道症候群は「Brachycephalic Airway Syndrome」。略して”BAS”と呼ばれます。

こちらにも短頭種の英表記である”Brachycephalic”が含まれます。

学術的にも鼻ぺちゃは「短頭種」

このとおり、学術的にも「鼻ぺちゃの犬種」に関しては、短吻種ではなく短頭種が使用されます。

犬と同様に、「エキゾチックショートヘア」や「ヒマラヤン」といった鼻ぺちゃの猫も短頭種と呼ばれ、短頭種気道症候群に悩まされる猫が多い点も共通しています。

さらに言うと、「短頭」は犬や猫だけでなく、人間の疾患としても存在するものです。

一方、”短吻種“はあくまでも”口の短い種“を表す単語となるため、主に動物に対して使われる言葉になります。

短頭種の犬種

ペキニーズの画像

では最後に、うちのこ短頭種?中頭種?と不安に感じている方のために、短頭種の犬種を簡単に紹介していきたいと思います。

実際にはまだまだ存在しますが、参考までに。

アーフェンピンシャー、アメリカンブルドッグ、イングリッシュマスティフ、カネコルソ、キングチャールズスパニエル、グリフォンブリュッセル、シー・ズー、チベタン・スパニエル、チャウチャウ、チワワ(アップルヘッド)、狆(チン)、ナポリタンマスティフ、パグ、ブリュッセル・グリフォン、ブルテリア、ブルドッグ、ブルマスティフ、フレンチブルドッグ、ペキニーズ、ボストンテリア、ボクサー、ボルドー・マスティフ、ラサアプソ、ロットワイラー
※五十音順です

上記の犬種は短頭種になりますので、基本的に飛行機移動は避けたほうが良いでしょう。

航空会社によってもNGとしている犬種が若干異なりますが、万全を期すためにも飛行機での移動は諦めたほうが良いと思います。

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