愛犬がガンを患ってしまい、免疫療法の一環として愛犬に与えることを選択した「スーパー紅豆杉パウダー(自然の森製薬)」ですが、先日のメールで販売終了(2023年10月23日)のお知らせが届きました。
その内容について見てみると、スーパー紅豆杉パウダーに含まれる成分のひとつ「パクリタキセル」が、厚生労働省より医薬品指定を受けたとのこと。
医薬品指定を受けるということは”サプリメント“ではなく”医薬品“扱いになるため、スーパー紅豆杉パウダーはサプリメントとして販売できず販売終了になってしまうわけです。
このパクリタキセルという成分。
抗腫瘍活性物質であることが確認されたとのことで、私なりに少し調べてみました。
医療用医薬品「タキソール」
パクリタキセルという成分に関しては、人間用のガンの治療薬としても広く知られており、パクリタキセルを有効成分とした医療用医薬品「タキソール」が抗がん剤の一つとして使用されています。
専門家ではないので詳しい効果・効能については避けますが、犬猫だけでなくヒトの癌治療にも使用されるパクリタキセル。
犬猫の癌研究を行っている「コルディ研究室」というサイトの記事で、パクリタキセルの副作用や注意点について以下のような記載がありました。
細胞内の微小管とよばれる構造物に結合します。微小管は細胞分裂に関わっており、そこにタキソールが結合すると細胞は分裂・増殖することができなくなります。
合わせて副作用・注意点にも触れられていますが、嘔吐や食欲不振、脱毛、味覚障害、倦怠感、下痢や便秘といった症状が挙げられています。
紅豆杉の副作用かは判断できず
ヒトの抗がん剤でも一般的ですが、副作用の心配というのは犬猫も同じこと。
今は天国にいる愛犬のヴィヴィアンにもスーパー紅豆杉パウダーを与えていましたが、前述の副作用にも思い当たるフシがあります。
別記事でも書いていますが、ヴィヴィアンに関しては末期症状も見られていたため、積極的な癌治療は行わず対処療法・免疫療法を中心にしており、その一つが紅豆杉を与えることでした。
特に当てはまると感じた副作用は、便秘と食欲不振。
ただ、この症状(副作用)がガンによるものなのか、(紅豆杉に含まれる)パクリタキセルによる副作用なのかは判断が難しいところです。
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副作用?食欲不振について
もともとヴィヴィアンは食欲旺盛なタイプで何でも食べる子でしたが、癌が喉にできてしまったこともあり、患部の痛みから食欲不振に。
流動食のような状態にしてご飯を与えつつスーパー紅豆杉パウダーも混ぜて与えていたわけですが、紅豆杉の苦味やガンの痛みからか、どんどん食欲不振になっていました。
また紅豆杉のほかにも、Dフラクション(マイタケエキス)も与えていたり、痛み止めを使用する日もあったりと、一概に副作用が全てではないとも感じます。
副作用?便秘について
もう一つ思い当たる副作用として挙げた「便秘」。
食欲不振ながらも1日数回に分けて流動食を与えていましたが、3〜4日便がでないのは当たり前といった感じでした。
因みに与えていた量は、一般的なシニア犬の1日量からわずかに少ない程度です。
通っていた病院で便通改善の漢方をもらい、併用することで便がようやく出ていたという感じでしたが、ようやく出た便もカチカチの状態という感じ。
そもそも、癌がそうさせていたのか、パクリタキセルがそうさせていたのかは判断できません。
パクリタキセルの効果とアレルギー
犬に対するパクリタキセルの効果・効能について調べていたところ、岐阜大学動物病院 腫瘍科の研究結果について情報が掲載されていました。
「マウス異種移植モデルにおける犬のメラノーマに対するLiporaxel(経口パクリタキセル)の抗腫瘍効果」という内容の研究結果で、以下のような結果が得られています。
パクリタキセルを犬のメラノーマ細胞に投与したところ、in vitroでは抗増殖効果と細胞周期の停止が認められた。
in vitro(試験管内での実験)では上記のように細胞周期の停止が認められたようですが、in vivo(生体内での実験)では約30%の減少という結果。
※in vivoとin vitroの実験結果は、必ずしもイコールではないとのことです。
この実験からも、パクリタキセルは犬のがん細胞に対しても抗癌作用を与えていることがわかります。
パクリタキセルのアレルギー反応
一方でパクリタキセルによるアレルギー反応に関する記述も見逃せません。
岐阜大学動物病院 腫瘍科の研究結果でも、前述で挙げたコルディ研究室の記事でも、パクリタキセル投与によるアレルギー反応についての記述が含まれます。
犬のみならず、ヒトに対してもアレルギー症状を引き起こすケースがあるようで、アナフィラキシー症状を引き起こす場合もあるとのこと。
パクリタキセルに限らず、どんな薬や食べ物もアレルギー反応が全く出ないという保証はありませんが、このあたりは動物病院の先生が十分に把握していることでしょう。
さいごに
ヴィヴィアンのケースを考えると、紅豆杉を与えることで僅かながら良好になっていた部分も見受けられました。
これがパクリタキセルによる効能なのかは分かりませんが、抗がん剤治療薬として認められたということは、ゼロではないのかもしれません。
積極的な癌治療が嫌だったのは、すでに苦しんでいる状態から副作用の心配があったからで、痛みや苦しみを少しでも和らげながら過ごしてほしい。
そんな一心で看病をしていたのですが、結局は抗がん剤(の成分)を与えていたようです。
ちなみに自然の森製薬では、スーパー紅豆杉パウダーの代替品となる製品の販売も予定しているようなので、気になる方はチェックしてみてください。