ハスキーの子犬と飼い主

犬の年齢を人間の年齢に換算する方法:最新の研究と計算式

投稿日のマーク

2019年12月5日

更新日のマーク

2022年10月4日

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「うちの子、人間だと何歳くらいかな?」

愛犬家なら誰もが一度は抱くこの疑問。

愛犬の年齢を人間の年齢に換算する方法はこれまでいくつか提唱されてきましたが、実はそのどれもが「だいたい」の目安でしかありませんでした。

しかし、最新の研究によって愛犬の年齢と老化の状態を科学的に導き出せるようになりつつあります。

この記事では、愛犬の年齢を科学的に導き出す最新の計算方法と、それによって明らかになる愛犬との新しい向き合い方について詳しく解説します。

この記事のポイント

結論:正確な年齢把握により、愛犬のQOL向上と健康寿命延長が期待できます。

  • 犬の年齢を人間の年齢(ヒト年齢)に換算する、新しい計算式が提唱されました。
  • この新しい計算式は、犬の成長期にDNAメチル化が急激に進み、その後緩やかになるという人間の加齢パターンとの強い相関性に基づいています
  • 犬の年齢を正確に把握することは、愛犬の健康維持と生活の質の向上のために重要です。
  • 従来のヒト年齢への換算法は科学的根拠に乏しく、正確な年齢の把握を難しくさせる。

すぐわかる!犬の年齢を換算する計算機

ラブラドールの老犬
BarbaraによるPixabayからの画像

まずは愛犬の年齢は人間に換算すると何歳なのかをチェックしてみましょう!

犬種の「サイズ」と「年齢」を入力するだけで、人間の年齢へ換算できる計算機です!

犬の年齢 = ヒト年齢 換算計算機

🐕 犬種サイズと体重の目安
  • 小型犬(10kg未満)
  • 中型犬(10-25kg)
  • 大型犬(25kg以上)

新計算式というのが、新たな研究によって提唱された科学的根拠に基づく計算方式。

年齢によっては他パターンとの差が大きすぎて「間違ってない?」と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

詳しくは後述しますが、2019年の研究ではラブラドール・レトリバーのデータが多かったため、新計算式で最も精度が高いのは大型犬と考えられます。

とはいえ、従来の計算方法とでは根拠が大きく異なり、

  • 犬は1歳で既に人間の15歳相当まで成長
  • その後の老化スピードは犬種により大きく異なる

という事が研究によって明らかになってきています。

あなたが知っている「犬の年齢の数え方」はもう古い?

これまで、犬の年齢を人間の年齢に換算する方法は、主に以下の5つのパターンが一般的でした。

  1. 1歳=18歳、2歳以降は+4歳
  2. 1歳=18歳、2歳以降は+4歳6ヶ月
  3. 1歳=16歳、2歳=24歳、3歳以降は+4歳
  4. 3サイズに分類(小型・中型・大型犬)
    • 1歳=16歳、2歳=24歳
    • 小型犬:3歳以降は+5歳を足す
    • 中型犬:3歳以降は+6歳を足す
    • 大型犬:3歳以降は+7歳を足す
  5. 2サイズに分類(「小型・中型犬」と「大型犬」)
    • 小型・中型犬:
      1歳=16歳、2歳=24歳、3歳以降は+4歳を足す
    • 大型犬:1歳=12歳、2歳以降は+7歳を足す

これらの計算方法では同じ5歳の犬でも、最大で11歳もの誤差が生じるケースがあります。

  • 小型犬の場合:34歳〜39歳
  • 大型犬の場合:34歳〜45歳

これでは、「おおよそ」「だいたい」の年齢しか把握できず、愛犬の健康管理に役立てるには不十分。

他にも「犬の1年 = 人間の7年」という考え方も一般的ですが、いずれも科学的根拠に乏しく「おおよそ」の年齢しか把握することが出来ません。

なぜ犬の年齢換算が重要なのか?

黒い犬
Photo by Victor Grabarczyk on Unsplash

「うちの犬、人間だと何歳?」

という疑問は、単なる好奇心ではありません。

例えば、人間と同じ年齢をイメージすることで、以下のような状態を把握するのに役立ちます。

  • 適切な食事の見直し:
    年齢に合わせた栄養バランスの食事に切り替えることで、消化器系への負担を軽減し、健康を維持できます。
  • 定期的な健康チェック:
    若い頃には気づかなかった体の変化(関節の痛み、視力・聴力の低下など)に早期に気づき、獣医さんと連携して適切な治療やケアを始めることができます。
  • 運動量の調整:
    年齢とともに運動能力が低下するため、無理のない範囲での散歩や遊びに切り替えることで、関節や心臓への負担を減らします。
  • 心のケア:
    シニア期に入ると、認知機能の低下や不安を感じやすくなることがあります。安全で快適な環境を整え、穏やかなコミュニケーションを心がけましょう。

一方、間違った年齢認識が引き起こす問題として、以下のようなポイントが挙げられます。

  • 「まだ若い」と思い込み、適切なシニアケアを怠る
  • 過度な運動で関節に負担をかける
  • 年齢に適さない食事を与え続ける
  • 定期健診の頻度が不適切

愛犬の実年齢を過小評価し、対処できたはずの健康問題も見逃している可能性があるでしょう。

日頃から動物病院に通っていれば安心ですが、

  • 異変に気がついた時
  • 病気になった時

こんなタイミングで病院へ行く方の方が多いのではないでしょうか。

「人間でいうと何歳くらい」という認識だけでも、愛犬の状態がイメージしやすくなるので、年齢の換算は意外と重要!

老化のサインはDNAに刻まれている!「DNAメチル化」に基づく画期的な計算式

ホワイトボードで計算する女性の後ろ姿
Photo by ThisisEngineering on Unsplash

注目されるのが、2019年11月にカリフォルニア大学サンディエゴ医学部医学科の研究チームが発表した「DNAメチル化」に基づく犬の年齢をより正確に導き出すための新計算方式。

この研究によって、DNAメチル化による老化の兆候・老化の状態を把握し、犬の年齢をより正確に導き出すための基本となるデータが発表されました。

DNAメチル化とは?

DNAメチル化とは、老化に伴ってDNAに付加される化学的変化。人間を対象としたDNAメチル化の研究では、献血者の年齢を調べることにも成功しています。

犬においても人間と同様、加齢と共にDNAメチル化を受けることが判明していて、その進行具合も人間と似ているとのこと。犬もDNAメチル化の量で、ある程度の年齢を予測するのに役立つとされているわけです。

研究結果のポイントを簡単にまとめると、

  • 犬の8週齢(2ヶ月)= 人間の9ヶ月に相当
  • 成長期は急激に老化、その後は緩やか
  • 人間の加齢パターンと強い相関性

といったように、犬の成長期にはより多くのDNAメチル化を受けるという事がわかりました。

ちなみに本記事の冒頭で紹介した「犬の年齢を換算する計算機」ですが、この研究で発表されていた以下の計算式を用いています。

人間の年齢 = 16 × ln(犬の年齢) + 31

ここまで紹介してきたような単純な計算式ではなく、科学的根拠に基づいた換算が行えるというわけですね。

まだまだ研究段階で、2019年の研究は大型犬が対象

この研究(2019)で対象となったのは約100匹の犬(1ヶ月〜16歳まで)で、主な調査対象はラブラドール・レトリバーでした。そのため、大型犬が最も精度の高い結果を導き出すことができると思われます。

大型犬と小型犬とでは一般的な寿命が異なるため、大型犬以外の犬種ではまだ誤差が出てくると思われますが、それでも、これまでの計算式とは大きな差があると考えられます。

研究はさらに進められている

2022年に発表されている研究では、さらに多くの犬種が研究の対象になり、DNAメチル化と老化の繋がりや、より高精度な推定方法の研究が中心となっていました。

その他、研究者や獣医師、ボランティアのコミュニティなどが集結して「犬の老化」を研究するプロジェクト「Dog Aging Project(新しいタブで開きます)」では、執筆時点で45,000頭もの犬が登録。内、雑種の登録も22,000頭と、非常に広範囲な犬種データから研究が進められています。

まとめ

今回のDNAメチル化に基づく研究は、犬の年齢換算に新たな視点をもたらしました。まだ研究段階であり、すべての犬種に適用できるわけではありませんが、大型犬を中心に、より科学的な根拠に基づいた年齢を把握できるようになりました。

この新しい知識は、愛犬の「今」の状態をより深く理解し、適切なタイミングで適切なケアを提供するための大きなヒントとなります。

まだまだ研究段階ではありますので、今後に期待したいですね!

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