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シトロネラは猫にとって危険な植物!その理由と虫除け効果について

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結論を先にいうと、シトロネラは猫にとって有毒です。

ただし、シトロネラが「精油(アロマオイル)」なのか「生草」の状態なのかによってもやや異なります。

今回は猫にとってシトロネラが危険な理由や、中毒症状その理由について詳しく解説していきます。

シトロネラは猫の虫除けに使える?

レモングラス
レモングラス
By Raffi Kojian - https://Gardenology.org, CC BY-SA 3.0, Link

まずは基本の部分から。

以下の「イネ科 オガルカヤ属(Cymbopogon)」の植物は猫にとって有毒となる植物です。

植物名
/ 学名
含まれる成分

シトロネラ
Cymbopogon winterianus
Cymbopogon nardus

シトロネラール
(Citronellal)

レモンユーカリ
Eucalyptus citriodora

レモングラス
Cymbopogon citratus
Cymbopogon flexuosus

シトラール
(Citral)

パルマローザ
Cymbopogon martini

ゲラ二オール
(Geraniol)
シトロネロール
(Citoronerol)

ゼラニウム
Pelargonium graveolens

今回はシトロネラに注目していますが、以下の植物も同じ仲間に含まれるため、シトロネラだけに注意を払ってもダメということです。

  • レモングラス
  • レモンユーカリ
  • ゼラニウム など

”植物”の状態では忌避効果を発揮せず

続いて「シトロネラ」という植物について。

一般に「シトロネラ」と呼ばれる植物は2種類あります。

  • Cymbopogon winterianus
  • Cymbopogon nardus(コウスイガヤ)

シトロネラは害虫忌避の効果を持つことでも知られますが、植物そのものに忌避効果はありません。

シトロネラは精油(アロマオイル)として抽出された状態でなければ、害虫忌避の効果を発揮しないのです。

因みにシトロネラの精油は蒸留釜で加熱し、成分を気化させて抽出する「水蒸気蒸留」という方法で抽出されます。

猫にとってシトロネラは有毒となる植物ですが、“植物のまま”と”精油の状態”で比較すると、精油の状態の方が危険度は高いです。

ただし植物のままでも大量に食べてしまうと、腸閉塞や中毒症状を引き起こす可能性が高くなりますので、

  • 愛猫は食べない
  • 触れないだろう

といった感じで油断してはいけません。

余談ですが、シトロネラは牛も食べないほど不味いのだそうです。

猫が注意するべき成分「シトロネラール」

シンガプーラ
Photo by Mikhail Vasilyev on Unsplash

ということで、猫にとって最も危険なのは精油として抽出されたシトロネラ

なぜ、精油になると有毒になるの?

という疑問が生まれると思いますが、その正体となるのが、抽出されたシトロネラに含まれるシトロネラールという成分。

シトロネラールとはシトロネラの植物に含まれる有機化合物のひとつで、冒頭の表のとおり、レモンユーカリからも抽出される成分です。

因みにシトロネラールの含有量は、シトロネラよりもレモンユーカリの方が多いため、レモンユーカリの方が猫にとってより危険という事が言えます。

シトロネラが悪いわけではありません

今回は猫にとって毒!というテーマで書いているので仕方がありませんが、シトロネラ(シトロネラール)が悪者になってしまいそうなので、シトロネラの良い部分もご紹介。

アロマオイルや香料、フレーバーとしても利用されるシトロネラール。柑橘系の香りで私も大好きな香りです。

シトロネラは非常に多くの作用をもたらしてくれる素晴らしい成分で、

  • 防虫効果
  • 抗菌・殺菌作用
  • デオドラント作用
  • 免疫向上

など、人間にとっては嬉しい作用も多く、アロマオイルとしても結構有名だったりもします。

猫にとっては毒となるシトロネラ(シトロネラール)ですが、人間にとっては危険な成分ではないのです。

シトロネラールの毒性と中毒症状

アロマオイルの小瓶
Photo by Anshu A on Unsplash

そもそも「精油の誤飲」は猫だけでなく、犬やうさぎ、人間にとっても深刻な悪影響を及ぼします。

シトロネラールのLD50値(半数致死量)は、ラットへの経口投与で1kgあたり5gという研究結果も。

1kgのラットが5gのシトロネラールを摂取してしまうと、50%の確率で命を落としてしまうということです。

吸引すると体内で分解できない成分です

猫はシトロネラに含まれる香りの成分(シトロネラール)を体内で分解することができないため、体に悪影響を及ぼしてしまうようです。

体に起きる悪影響として、軽症であれば

  • 食欲不振
  • 嘔吐

といった症状、重症化すると

  • ショック症状
  • 尿もれ
  • 膀胱炎
  • 脱力感

などの症状が引き起こされる可能性があります。

なお、シトロネラの香りは犬よりも猫のほうが、より過敏に反応すると考えられています。

皮膚に付着するのも危険です

海外の報告では、植物に体をこすりつけることでも、何かしらの悪影響を及ぼす可能性があるため、猫を飼っている場合はシトロネラを植えないのが理想とされていました。

吸引するのも危険ですが、皮膚に付着するのもNGということです。

皮膚に付着した場合、体内へと成分が浸透してしまいますので、結果として体内で成分を分解できず中毒症状を引き起こすと考えられます。

シトロネラの忌避効果はどのくらい?

アロマキャンドル
Photo by Storiès on Unsplash

最後に、シトロネラの忌避効果について実験した結果がありましたので、ご紹介します。

シトロネラを含む製品にはアロマオイルのほか、キャンドルやデュフューザー等がありますが、この実験では”どの成分”で”どの商品”がどれくらいの効き目があるのかを実験したものです。

実験では「シトロネラ」を使った製品に加え、同じく忌避効果のある以下の成分を使用した製品で実験が行われています。

  • リナロール(スズランやラベンダーに含まれる成分)
  • ゲラニオール(ゼラニウムやパルマローザに含まれる成分)

実験結果

キャンドルタイプは室内での実験、デュフューザーは屋内と屋外で実験し、どれだけ害虫を寄せ付けなかったか・忌避効果を発揮できたのかを数値化。

有効成分の配合量:キャンドル(5%/88g) デュフューザー(100%/20g)

キャンドルデュフューザー
(屋外の数値)
シトロネラ14%68%(22%)
リナロール(該当商品なし)93%(58%)
ゲラニオール50%97%(75%)

最も忌避効果が高かったのは「ゲラニオール」と「デュフューザー」の組み合わせ。

ほぼ100%に近い割合で害虫が逃げていった事が立証されています。

対するシトロネラですが、キャンドルはほんのり・・・といった感じですね。

デュフューザーでも室内利用で68%の忌避効果となりますので、「香りを楽しみつつ忌避効果も」という気持ちで利用するのが良さそうです。

猫とシトロネラのまとめ

忌避効果が14%のキャンドルであっても、猫にとっては吸引自体が危険なため、やはりおすすめできるものではありません。

猫がいる家庭では、シトロネラを配合した製品は避けたほうが懸命といえるでしょう。

シトロネラの植物を近くに置いたり、シトロネラの精油を舐めてしまうことのないよう、十分に注意しましょう!

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