12の数字が刺さったケーキの前にいる犬

【12歳の愛犬と幸せに暮らす】食事・運動・健康管理のポイント

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徐々に病気や衰えが見え始める高齢犬ですが、12歳ともなると病院通いする犬が増加してくる年齢でもあります。

そこで今回は、アニコム ホールディングス株式会社が発行している「アニコム 家庭どうぶつ白書2023」で公開されているデータを基に、「12歳の犬」に特化した内容で解説していきたいと思います。

愛犬が12歳という方にとっては落ち込んでしまう内容もあると思いますが、これから起こり得る問題や気をつけるべきポイントを見出してもらえればと思い、記事としてまとめました。

犬の12歳、人間にすると何歳?

目を合わせる年配女性とラブラドールレトリバー

まずは、愛犬が今どのくらいの状況に置かれているのかを感覚的に理解するため、12歳の犬は人間の何歳くらいなのか把握していきましょう!

犬の年齢を人間の年齢に換算する方法はいくつか存在し、これらの方法で換算すると、12歳の犬は62歳〜74歳(中型犬は〜84歳)に相当すると計算されます。

ただ、数年前からは科学的にも基づいた正確な換算方法も確率しつつある状況で、新たな方法で計算してみると、12歳の犬は71歳と換算されました。

犬の年齢を人間の年齢に換算する方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。

人間の年齢に換算する方法はいくつか存在するわけですが、いずれの方法においても犬の12歳は人間の70歳前後と理解することができます。

犬の平均寿命と犬種別の平均寿命

ゴールデンレトリバーと金髪女性の後ろ姿

近年は犬の平均寿命も昔と比べ、格段に伸びてきている印象です。

食事の質や医療レベルの向上など、寿命が伸びる要因はたくさん考えられますね。

「アニコム『家庭どうぶつ白書2023』」に掲載されているデータより、犬の平均寿命に関するデータ(2021年度)を見てみると、2008年には13.2歳だった平均寿命が、2021年のデータでは14.2歳という結果に。

調査の条件は「アニコム損保加入の犬」ですので限定されたデータではありますが、長生きしている犬が増加していることに間違いなさそう!

平均寿命が12歳台の犬種

続いて同データから、平均寿命が「12歳台の犬種」が以下となります。

※参照:アニコム『家庭どうぶつ白書2023』より。
2008年4月1日〜2022年3月31日までにアニコム損保の保険契約を開始した犬のうち、死亡解約届けのあった頭数の集計。

犬種平均寿命
ボストン・テリア12.2歳
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル12.3歳
スタンダード・プードル12.4歳
シェットランド・シープドッグ12.5歳
ノーフォーク・テリア12.5歳
ウェルシュ・コーギー・ペンブローク12.6歳
ラブラドール・レトリーバー12.7歳
パグ12.8歳
ボーダー・コリー12.9歳

愛犬の寿命は何歳くらい?と気になってしまうところですが、あくまでも”平均”。

該当する犬種で平均寿命を超えている!という場合は、喜ぶことはもちろんですが、これからの暮らしで注意すべきポイントをしっかり把握することが大切です。

より長生きしてもらえるよう、健康状態に気を配っていきましょう!

12歳の犬に多い疾患と死亡原因

病院で診察を受けるポメラニアン

続いて、保険請求をベースにした”好発疾患”と”死亡原因”を見ていきましょう。

以下の表は、8歳以上の高齢犬を対象にした「好発している疾患(=保険請求の理由で多い疾患)」と、「死亡解約の理由(=死亡原因)」のデータです。

※参照:アニコム『家庭どうぶつ白書2023』
2021年4月1日〜2022年3月31日の期間でアニコム損保の保険契約を開始した8歳以上の犬が対象。

好発疾患死亡原因
1嘔吐/下痢/血便(原因未定)その他の泌尿器疾患
2弁膜症慢性腎臓病(腎不全含む)
3その他の皮膚疾患弁膜症

「死亡解約の理由(=死亡原因)」

アニコム損保の保険を解約した30日以内に、動物病院を受診した保険金請求内容を死亡原因と定義したもの。

データで見ていくと好発疾患で2番目に多い「弁膜症」が、死亡原因の3番目に入っていることがわかります。

後述しますが、弁膜症は11歳〜12歳にかけて最も多く見られる疾患(=請求理由)の一つ。

また、特に注意すべき犬種は”12歳のキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル”です。

続いて、12歳の犬に多く見られる疾患(保険請求ベース)について見ていきます。

甲状腺機能低下症

内分泌系の疾患として知られる「甲状腺機能低下症」は、8歳以上の死亡原因(頭数順)でも16番目に多い疾患です。

また、保険の平均請求回数TOP20(死亡による30日以内の解約)で見ると、2.3回と少なめ(全年齢平均は3.3回)。

請求回数が少ないことから、危険度は高めであることが伺えます。

12歳になったら甲状腺機能低下症に注意したい犬種

以下の犬種は、保険の請求ベースで12歳に甲状腺機能低下症が多く見られる犬種です。

※参照:アニコム『家庭どうぶつ白書2023』 犬種別データ「他犬種に比べ罹りやすい疾患」より

犬種犬全体の請求割合犬種の請求割合全犬種との対比率診療費の平均値
ビーグル0.7%2.0%2.9倍100,859円
Aコッカ‐1.7%2.4倍101,733円
秋田犬1.3%1.9倍149,549円
トイプードル0.9%1.3倍83,183円

ピックアップした犬種の中でも、特に注意したいのが全犬種平均より2.9倍多いビーグル。

甲状腺機能低下症は、ビーグルの全年齢中でも3番目に多く保険請求されている疾患(『家庭どうぶつ白書2023』調べ)で、犬種自体でリスクが高い疾患です。

アメリカンコッカーの2.4倍も高い数字。秋田犬に関しては12歳だけでなく、9歳・11歳も最頻発となっているので注意!

歯周病/歯肉炎、歯根膿瘍/根尖膿瘍

「歯周病/歯肉炎」はどの年齢の犬でも注意したい疾患の一つですが、重症化してしまうと「歯根膿瘍/根尖膿瘍」へと進行してしまうケースも多いことから、日頃から注意が必要な疾患です。

歯根膿瘍(しこんのうよう)
歯周病が悪化し、歯の根元が化膿することで痛みや顔の腫れを伴う疾患で、「根尖膿瘍(こんせんのうよう)」とも呼ばれます。

更に悪化すると皮膚を突き破って膿が出てきたり、口腔内側から骨を溶かして鼻腔と繋がってしまったりと、非常につらい思いをさせてしまう疾患です。

12歳になったら歯周病/歯肉炎に注意したい犬種

※参照:アニコム『家庭どうぶつ白書2023』 犬種別データ「他犬種に比べ罹りやすい疾患」より

犬種犬全体の請求割合犬種の請求割合全犬種との対比率診療費の平均値
Mダックス3.6%5.7%1.6倍58,133円
イタグレ6.4%1.8倍55,097円
パピヨン4.9%1.4倍52,155円

上記は12歳に「歯周病/歯肉炎」が最も頻発している3犬種のデータです。

一方、歯周病が悪化することで引き起こされている「歯根膿瘍/ 根尖膿瘍」を見ていくと、ダックスとパピヨンがより高い割合で請求されていることがわかります。

12歳になったら歯根膿瘍/根尖膿瘍に注意したい犬種

※参照:アニコム『家庭どうぶつ白書2023』 犬種別データ「他犬種に比べ罹りやすい疾患」より

犬種犬全体の請求割合犬種の請求割合全犬種との対比率診療費の平均値
Mダックス0.3%0.9%3.0倍48,217円
パピヨン0.5%1.7倍53,751円

上記の表では出ていませんが、ミニチュア・ダックスフンドは6番目(歯周病)から2番目に、パピヨンは15番目(歯周病)から5番目に多い疾患となっています。

満足な食事が行えないなどの弊害も大きく、年齢的にも手術が行えないケースもあるため、歯周病の段階から先を見通したケアが大切です。

慢性腎臓病(腎不全含む)

私の周りでもよく耳にする「慢性腎臓病(腎不全含む)」は腎臓の機能が低下、もしくは機能しなくなってしまう重篤な疾患の一つ。

発見がしにくく、老犬であれば見過ごしてしまいそうな多飲多尿といった症状が初期症状であるため、動物病院での健康診断は特に重要となります。

病気の進行具合は腎臓の残存機能によって4段階のステージに分けられますが、多飲多尿などの症状が見られる段階はステージ2で、腎機能も4分の1しか機能していない状態です。

一度壊れた腎臓(の組織)は再生しないため、対処療法や進行を緩やかにするような治療がメインとなるでしょう。

12歳になったら慢性腎臓病に注意したい犬種

※参照:アニコム『家庭どうぶつ白書2023』 犬種別データ「他犬種に比べ罹りやすい疾患」より

犬種犬全体の請求割合犬種の請求割合全犬種との対比率診療費の平均値
ヨーキー0.7%1.6%2.3倍95,486円
シェルティー2.5%3.6倍19,030円
ボーダーコリー1.5%2.1倍52,468円

12歳を迎える頃になったら、特に注意が必要な犬種が上記の3犬種。

全犬種の平均よりもヨーキーは2.3倍、シェルティーは3.6倍、ボーダーコリーは2.1倍と高く、請求も12歳に集中しています。

慢性腎臓病に関する知識をつけ、動物病院でも健康診断を行うようにすることが大切!

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特に注意したい12歳の「犬種」

12の数字が書かれたケーキの前にいる犬

ここからは全年齢を対象にした保険請求 TOP15の中で、“保険請求が12歳に多い”犬種をピックアップして紹介していきます。

12歳のキャバリアは弁膜症の請求が特に多い

以下の表はキャバリア(全年齢)の保険請求 TOP15です。

キャバリアを飼っている方であれば、遺伝的に心臓疾患のリスクが高い犬種であることをご存知かと思いますが、キャバリアの”全年齢”でみると、1番多い請求理由は目の遺伝性疾患で知られる「角膜ジストロフィー」。

ただ、角膜ジストロフィーを理由に保険請求している年齢は3歳が最も多く、2番目に多い「弁膜症」は12歳に最も多く請求されていることがわかります。

※参照:アニコム『家庭どうぶつ白書2023』 犬種別データ「他犬種に比べ罹りやすい疾患」より

疾患名請求が最も多い年齢犬種の請求割合犬全体の請求割合全犬種との対比率診療費の年間平均
1角膜ジストロフィー3歳0.10%0.80%8.0倍15,355円
2弁膜症12歳2.6%16.4%6.3倍170,657円
3乾性角結膜炎•KCS•ドライアイ8歳、12歳0.4%2.4%6.0倍47,176円
4その他の循環器疾患11歳0.60%2.70%4.5倍106,650円
5肺水腫(原因未定)9歳0.20%0.70%3.5倍185,264円
6その他の角膜炎(パンヌス含む)4歳0.80%2.40%3.0倍26,808円
7潰瘍性角膜炎(角膜びらん含む)12歳0.9%2.6%2.9倍32,583円
8肛門嚢(腺)炎/肛門嚢(腺)破裂12歳0.8%2.2%2.8倍38,627円
9外傷性角膜炎(異物含む)4歳0.40%1.10%2.8倍20,662円
10その他の神経系疾患12歳0.5%1.1%2.2倍69,155円
11ブドウ膜炎(虹彩炎/前眼房出血含む)11歳0.20%0.50%2.5倍26,080円
12結膜炎(結膜浮腫含む)0歳3.00%6.50%2.2倍13,337円
13その他の眼科疾患3歳1.30%2.80%2.2倍27,690円
14膵炎12歳0.9%1.8%2.0倍96,256円
15膀胱炎12歳2.2%3.9%1.8倍33,295円

上記表の数字を見ると明らかですが、弁膜症の16.4%という請求割合は他犬種との比較で6.3倍となっており、発症リスクの高さがわかります。

また、キャバリアの平均寿命が12.3歳というデータも出ていることから、キャバリアにとって弁膜症は特に警戒すべき疾患。

弁膜症は加齢が原因とされる疾患。最適な予防策は定期的な検診なので、日頃から観察を怠らないようにすることが大切です!

ミニチュアダックスフンドは12歳に9種の疾患

続いてミニチュア・ダックスフンドを見ていきましょう。

ミニチュア・ダックスフンドに付き物と言っていいほど多い「椎間板ヘルニア」ですが、最頻発している(請求割合が多い)のが10歳・11歳となっています。

一方、12歳に請求が多い「歯根膿瘍/ 根尖膿瘍」は、全体の割合と比較して約3倍ほど。

前述で触れたキャバリアの弁膜症の約6.3倍と比較すると極端に高い割合ではありませんが、こうしてデータで見ると、12歳という年齢に極端に偏っている事がわかります。

※参照:アニコム『家庭どうぶつ白書2023』 犬種別データ「他犬種に比べ罹りやすい疾患」より

疾患名請求が最も多い年齢犬種の請求割合犬全体の請求割合全犬種との対比率診療費の年間平均
1椎間板ヘルニア10歳、11歳5.30%1.60%3.3倍109,788円
2歯根膿瘍/根尖膿瘍12歳0.9%0.3%3.0倍48,217円
3乳腺腫瘍/乳腺腫瘤11歳0.80%0.30%2.7倍122,282円
4脂肪腫11歳1.00%0.50%2.0倍22,427円
5副腎皮質機能亢進症•クッシング症候群12歳0.7%0.4%1.8倍135,148円
6歯周病/歯肉炎(乳歯遺残に起因するもの含む)12歳5.7%3.6%1.6倍58,133円
7腰痛(原因未定)10歳1.20%0.80%1.5倍20,923円
8鼻炎/ 副鼻腔炎/上部気道炎12歳0.7%0.5%1.4倍42,980円
9アレルギー(詳細不明)0歳0.70%0.50%1.4倍22,110円
10肛門嚢(腺)炎/肛門嚢(腺)破裂12歳1.0%0.8%1.3倍17,884円
11膵炎12歳1.1%0.9%1.2倍100,113円
12尿の性状異常(原因未定)12歳0.8%0.6%1.3倍21,817円
13肝炎12歳0.7%0.6%1.2倍68,305円
14その他の肝/胆道系疾患12歳1.1%1.0%1.1倍76,776円
15病理学的未定の皮膚腫瘍11歳0.90%0.80%1.1倍19,140円

因みに『家庭どうぶつ白書2023』調べによる、ミニチュア・ダックスフンドの平均寿命は14.8歳(カニンヘンは平均15歳)。

12歳に保険請求が多くなっていますが、12歳という鬼門を乗り越えるために健康管理を怠らず、無事に乗り越えることができれば、しっかり長生きしてくれる犬種!とも言えそうです。

パピヨンも12歳に8種の疾患が頻発

ミニチュア・ダックスフンドに続いて、パピヨンも12歳に請求割合が偏っている犬種です。

発症リスクの高そうな疾患は12歳以下に集中していますが、他犬種との比較で1.7倍を記録している「歯根膿瘍/ 根尖膿瘍」は、私の愛犬も経験した疾患です。

※参照:アニコム『家庭どうぶつ白書2023』 犬種別データ「他犬種に比べ罹りやすい疾患」より

疾患名請求が最も多い年齢犬種の請求割合犬全体の請求割合全犬種との対比率診療費の年間平均
1膀胱結石9歳1.80%0.80%2.3倍95,586円
2乳腺腫瘍/ 乳腺腫瘤11歳0.70%0.30%2.3倍108,176円
3慢性腎臓病(腎不全含む)11歳1.40%0.70%2.0倍101,170円
4腰痛(原因未定)8歳1.40%0.80%1.8倍13,403円
5歯根膿瘍/ 根尖膿瘍12歳0.5%0.3%1.7倍53,751円
6ノミ/ マダニ等の外部寄生虫症2歳、12歳0.6%0.4%1.5倍8,133円
7疼痛(原因未定)9歳2.10%1.30%1.6倍20,774円
8その他の泌尿器疾患12歳2.7%1.7%1.6倍32,299円
9胆泥症12歳2.0%1.3%1.5倍89,840円
10検査値上の異常(臨床症状なし)12歳0.8%0.5%1.6倍30,691円
11尿石症8歳、11歳1.40%0.90%1.6倍45,881円
12尿の性状異常(原因未定)12歳0.9%0.6%1.5倍34,523円
13膝蓋骨(亜)脱臼0歳2.60%1.80%1.4倍62,738円
14肝酵素上昇(原因未定)12歳1.8%1.3%1.4倍50,942円
15歯周病/歯肉炎(乳歯遺残に起因するもの含む)12歳4.9%3.6%1.4倍52,155円

歯根膿瘍は15位にランクインしている「歯周病/歯肉炎(乳歯遺残に起因するもの含む)」がより悪化することで引き起こされている疾患ですので、口腔系の疾患には要注意!

活発な性格がゆえに?6位にランクインしてる「ノミ/ マダニ等の外部寄生虫症」にも注意したいところ。

マダニは草むら等で咬まれるリスクがありますが、単に咬まれるだけでなく様々な病気を引き起こしますので、外遊びではしゃぐ前に事前に対策を行うことを忘れずに!

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