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短頭種(鼻ぺちゃ犬/猫)の鼻の特徴と注意点:パグ,フレブルの熱中症リスクと短吻種との違い

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2021年4月21日

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2025年11月30日

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愛称をこめて「鼻ぺちゃ」と呼ばれることも多いパグやフレンチ・ブルドッグなどの犬種。

これらの犬種は学術的にも「短頭種(たんとうしゅ)」と呼ぶのが正確です。

一方、「短吻種(たんふんしゅ)」と呼ばれることもありますが、これは「短い口(吻)」を意味するにすぎず、正式な呼称とは言えません。

本記事では短頭種という呼び方についての詳しい解説と、その短い頭蓋骨に起因する呼吸器系の健康リスクについて解説していきます。

特に短頭種気道症候群(BAS)や熱中症リスクが高く、飛行機搭乗が制限されるなど、飼い主として特別な知識と配慮が求められます。

鼻ぺちゃの犬や猫は短頭種?短吻種?

エキゾチックショートヘア

冒頭でも説明しましたが、パグやフレンチ・ブルドッグ、エキゾチックショートヘアなどの犬猫は、 「短頭種(たんとうしゅ)」 が正確な名称であり、学術的な場面でも使用されます。

犬種・猫種を分類する際、基準となるのは 「鼻や口の短さ」 ではなく、頭蓋骨全体の長さと 「口吻部(マズル)」 との比率。

ですのでこれは短頭種・短吻種、どちらの呼び方でも良いということではなく、「短頭種」が正しい呼び方になります。

「短頭種」が正しい理由:頭蓋骨の比率が基準

犬のマズル比較画像1

長頭・短頭で分類する際は「頭蓋骨:口吻部」の比率で判断をします。

  • 短頭種:口吻部が短く、頭蓋骨の方が長い
  • 中頭種:口吻部・頭蓋骨ともに同程度の長さ
  • 長頭種:口吻部が長く、頭蓋骨の方が短い

「鼻が短い(潰れた)」犬なのに、「頭が短い」という呼び方が混乱を招くのかもしれませんね。

「短吻種(たんふんしゅ)」とは?

「短吻種」という呼び方も存在しますが、これは

「短い吻(ふん、くちびるや口)」

という意味合いが強く、英語ではシンプルに “Short snout”(短い鼻/口)と訳されます。

学術的な呼称としては「短頭種」が使われており 、「短吻種」はあくまで「口の短い種」を表す単語なんです。

日常的な文脈だとbrachycephalic dogs(短頭種の犬)といった表現が一般的のようです。

鼻の構造:短頭種に疾患が多い根本的な理由

遠くを見つめる犬

パグやフレンチブルドッグなど、短頭種の犬猫はフゴフゴと呼吸が荒いイメージもありますが、なぜ短頭種は鼻が悪い、または呼吸器系の疾患が多いのでしょうか?

その理由として、短頭種は鼻の短さだけでなく、頭蓋骨全体が中頭種や長頭種に比べて短い事が挙げられます。

顔が短いにもかかわらず、皮膚や軟部組織(鼻腔、軟口蓋など)の面積は中頭種や長頭種と同程度。

これらの内部構造が、短い頭蓋骨内にギュッと押し込められたイメージですね。

短頭種に共通する鼻腔系の特徴

  • 鼻の穴(外鼻孔)が狭い 空気を取り込む入り口が狭くなっています。
  • 鼻腔が狭い 嗅覚に必要な部位の面積が小さく、これが嗅覚の悪さや鼻腔疾患の原因に。
  • 軟口蓋過長症 口の奥にある軟口蓋(のどちんこの裏あたり)が長すぎて、気道を塞いでしまう。
  • 気管低形成 生まれつき気管が細い(未発達な)子が多い。

これらの構造的な問題を抱える短頭種は多く、総称として

短頭種気道症候群 (BAS:Brachycephalic Airway Syndrome)

と呼ばれます。

飼い主が知っておくべき3つの重要リスクと注意点

チワワ

短頭種を飼育する上で、特に注意すべき健康上のリスクと生活上の注意点について見ていきましょう。

リスク1:短頭種気道症候群(BAS)

呼吸時の「ブーブー」という音や、睡眠中の大きないびきといった症状が特徴の呼吸器疾患。

進行すると重度の呼吸困難を引き起こし、最悪の場合、命に関わる事態に発展する可能性も。

  • 症状の例 運動後の激しい呼吸、舌が紫色になるチアノーゼ、失神など。
  • 対策 体重管理(肥満は症状を悪化させる)、激しい運動の制限、重度の場合は外科手術による気道の拡張が必要です。

リスク2:重度の熱中症リスク

短頭種は体温調節が極めて苦手です。

犬はパンティング(ハァハァという開口呼吸)で唾液を蒸発させ、気化熱で体温を下げますが、短頭種は鼻腔が狭いため、効率よく熱を逃がすことができません。

以下のような対策をとり、熱中症リスクを最小限に抑える工夫が必要になります。

  • 徹底的な温度管理 夏場の散歩は早朝や夜間に限定し、日中の外出は避ける。
  • 冷却グッズの活用 クールベスト、クールマット、冷却スカーフなどを積極的に利用する。
  • 水分の確保 常に新鮮な水を十分に用意する。
  • サインに注意 激しいパンティング、よだれが多い、舌の色が濃いなどのサインを見逃さない。

リスク3:飛行機搭乗の制限・拒否

短頭種は、飛行機の貨物室での移動が原因で体調を崩したり、命を落とすリスクが中頭種や長頭種の犬よりも高いと考えられています。

そのため、多くの航空会社で搭乗を制限、もしくは拒否されています。

  • 理由 貨物室は環境変化(温度や気圧)が大きく、短頭種が呼吸困難に陥りやすいため。
  • 対策 飛行機移動は基本的に諦めるか、事前に航空会社の規制を必ず確認し、代替手段(車や新幹線など)を検討しましょう。

短頭種の犬種・猫種の例

ペキニーズの画像

うちの子は短頭種?中頭種?と不安に感じている方のために、短頭種の犬種・猫種を簡単に紹介していきたいと思います。

実際にはまだまだ存在しますが、参考までに。

アーフェンピンシャー、アメリカンブルドッグ、イングリッシュマスティフ、カネコルソ、キングチャールズスパニエル、グリフォンブリュッセル、シー・ズー、チベタン・スパニエル、チャウチャウ、チワワ(アップルヘッド)、狆(チン)、ナポリタンマスティフ、パグ、ブリュッセル・グリフォン、ブルテリア、ブルドッグ、ブルマスティフ、フレンチブルドッグ、ペキニーズ、ボストンテリア、ボクサー、ボルドー・マスティフ、ラサアプソ、ロットワイラー
※五十音順です

エキゾチックショートヘア、ヒマラヤン、ペルシャ
※五十音順です

これらの犬種・猫種は短頭種気道症候群を含め、特有の健康上の問題に悩まされる可能性があるため、日頃から特に注意深く様子を見守るようにしましょう。

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