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【映画】犬の映画賞「パルム・ドッグ賞」を振り返る!受賞作品を一挙紹介

皆さんは「パルム・ドッグ賞」という映画賞をご存知でしょうか。

「アカデミー賞」や「ゴールデングローブ賞」など、優れた映画作品に贈られる賞には色々な賞が存在しますが、パルム・ドッグ賞は優れた演技を見せた「犬」に対して贈られる映画賞です。

今回は、2001年〜2007年の歴代パルム・ドッグ賞受賞作品と受賞犬について詳しく解説していきたいと思います!

パルム・ドッグ賞とは?

手を挙げる犬
※写真はイメージです。
Photo by Camylla Battani on Unsplash
かの有名なフランスの映画祭「カンヌ国際映画祭」の中の、初めは小さなイベントだったパルム・ドッグ賞(PalmDog Award)は、映画に出演している「犬」に与えられる映画賞のひとつ。

カンヌ映画祭では、その年の最も優れた映画に「パルム・ドール賞(最高賞)」が贈られますが、パルム・ドッグ賞はこのパルム・ドール賞をもじった、シャレの賞でもありました。

2001年設立で、すでに20年もの歴史を持つパルム・ドッグ賞ですが、今では「カンヌ映画祭 特別賞」の枠組みで開催されるまでに成長。

俳優犬たちにとって、大変名誉ある賞となっています。

実は他の映画賞と同じくらい意味のある賞

パルム・ドッグ賞は俳優犬だけではなく、映画監督や出演者にとっても重要な意味を持つ賞なんです。

2019年のパルム・ドッグ賞授賞式では「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」でパルム・ドッグ賞を受賞した犬「ブランディ」に加え、タランティーノ監督自らが授賞式を訪れるほどでした。

また、出演者のブラッド・ピットもブランディがパルム・ドッグ賞を受賞することを願っていたといいます。

審査員には映画評論家がズラリ

パルム・ドッグ賞の審査員には、英ガーディアン紙の「ピーター・ブラッドショウ(Peter Bradshaw)」さん、映画ジャーナリストの「ウェンディ・ミッチェル(Wendy Mitchell)」さんなど、日本ではあまり知られてはいませんが、著名な方々が審査員を務めていらっしゃいます。

犬に対して与えられる賞なので、動物愛護関係の方々が選出しているかと思いきや、「カンヌ映画祭」と同じタイミングで開催されているアワードなので、かなり本格的な映画評論家4〜5名が毎年審査員を担当しています。

つまり、パルム・ドッグ賞は単にかわいいとか、素晴らしいとかの物差しではなく、映画の一出演者(出演犬)として演技力や存在感をジャッジされ、選出されているわけです!

第1回 パルム・ドッグ賞受賞作品(2001年
「アニバーサリーの夜に」

タイトル
(原題)
アニバーサリーの夜に
The Anniversary Party
ジャンル/製作国 コメディ
アメリカ
受賞 <パルム・ドッグ賞>
オーティス(Otis)

記念すべき第一回のパルム・ドッグ賞には、映画「アニバーサリーの夜に」に出演したシェパードとバセンジーのMIX犬「オーティス(Otis)」が受賞。

女優のジェニファー・ジェイソン・リーが主演・監督を務めた本作では、グウィネス・パルトローやアラン・カミング、フィビー・ケイツなども出演。

意外と豪華な出演陣も見どころです。

結婚パーティーに集まった男女の様子を描いた映画で、様々なトラブルやゴタゴタに見舞われる内容。

受賞したオーティスは、ゴタゴタの始まりと終わりを表現した”しおり”的なキャラクターで登場します。

第2回 パルム・ドッグ賞受賞作品(2002年
「過去のない男」

タイトル
(原題)
過去のない男
(MIES VAILLA MENNEISYYTTA)
ジャンル/製作国 コメディ,ロマンス
/フィンランド、ドイツ、フランス
受賞 <パルム・ドッグ賞>
タハティ(Tähti)

記憶を失い、貧しい人々と生活を再建していく男を描いたフィンランド映画「過去のない男」。

オスカー賞にもノミネートされた作品で、2002年のカンヌ映画祭グランプリ、最優秀女優賞を受賞した作品です。

こちらの映画に登場する「ハンニバル」という役名で登場した犬が、2002年のパルム・ドッグ賞を受賞。

因みにこの犬は、監督・脚本を務めた「アキ・カウリスマキ」さんが飼っているペットの「タハティ(Tähti)」なのだそう。

第3回 パルム・ドッグ賞受賞作品(2003年
「ドッグヴィル」

タイトル
(原題)
ドッグヴィル
Dogville
ジャンル/製作国 サスペンス/デンマーク
受賞 <パルム・ドッグ賞>
モーゼス(Moses)
<Special mention>
ブルーノ
「The Triplets of Belleville」

2003年のパルム・ドッグ賞は、映画「ドッグヴィル」に出演した「モーゼス(Moses)」が受賞。

ニコール・キッドマン演じる女性を中心に、小さな町で起きる事件や生活を描いた作品。

全てが1つの舞台上で描かれ、作中でナレーションが頻繁に入るという斬新な手法でも話題になった映画です。

映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の監督・脚本が手掛けた作品で、パルム・ドッグ賞を受賞したモーゼスも、映画の最後の最後に登場。

ただ、かなりのインパクトを与えています。

内容はかなり暗いので好みが分かれるかもしれません!

また、2003年からはパルム・ドッグ賞の次点賞で、“この犬も見逃せない!”とも言うべき「Special mention」という名目の賞が誕生しています。

第4回 パルム・ドッグ賞受賞作品(2004年
「モンドヴィーノ」

タイトル
(原題)
モンドヴィーノ
(Mondovino)
ジャンル/製作国 ドキュメンタリー/フランス、アメリカ
受賞 <<パルム・ドッグ賞>
主演したすべての犬
<Special mention>
アクロバット
「Life is a Miracle」

2004年のパルム・ドッグ賞を受賞したのは、ドキュメンタリー映画「モンドヴィーノ」に出演した「すべての犬」が受賞。

フランスのワイン業界における現状や実態に迫った、本格派のドキュメンタリー映画のようです。

カンヌ映画祭パルム・ドール賞ノミネート作品とのことですが、私も見たことが無いので説明ができません・・・

パルム・ドッグ賞には特定の主演犬ではなく、主演したすべての犬が受賞という新しいパターンだけに、いつか見てみたい作品です。