遠吠えをする狼

【映画】ALPHA(アルファ 帰還りし者たち)オオカミについて深堀りしてみた

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今回は氷河期時代の人間とオオカミとの出会いと冒険を描いた、映画「ALFA アルファ 帰還りし者たち」について紹介していきます!

映画の内容にも触れていきますが、当サイトは「ペット」をテーマにしたサイトなので、

  • 映画の内容
  • オオカミを演じた犬
  • オオカミについて
  • 犬と人間の歴史

にスポットライトを当て、他とは違った目線で映画をご紹介していきたいと思います!

ALPHAアルファ 帰還(かえ)りし者たち

狼
Photo by Michael LaRosa on Unsplash※イメージ画像です。

※2025/09/04調べ

原題/邦題ALPHA
アルファ 帰還りし者たち(かえりしものたち)
製作国
/ 製作年
アメリカ/2018年
時間96分
ジャンルアドベンチャー/ドラマ
Filmarks評価
3.4 / 348件
Googleレビュー
4.5 / 1661件

映画「ALPHA(アルファ 帰還りし者たち)(新しいタブで開きます)」は、主人公の「ケダ」が旅の中で一匹のオオカミと出会い、「アルファ」と名付けたオオカミと共に故郷へと旅(帰還)をするという内容の物語です。

この映画、このアルファがもう可愛すぎて。

オオカミという設定ですが、ほぼ犬です。

実際に犬が演じています!

犬好きな方は、このアルファの可愛さを見るだけでも価値がある映画ですよ。

映画の評価は

私的な評価としては犬好きにおすすめしたい映画で、内容としては面白かったのですが、細かな部分を気にする方は、少し気楽に見る必要がある映画ですねぇ。

かといって設定が甘いとか、小道具がちゃっちいという話ではありません。

映画は約2万年前の「氷河期」という時代背景。

ですが、所々に現代ぽさも感じられてしまい、ちょっと細かい部分に目が行ってしまう私としては、内容よりもそちらのほうが気になってしまったわけです・・・。

主人公の相棒であるアルファも可愛さ100点満点な感じなんですが、冷静に”氷河期の野生の狼”という目線で見ると、良くも悪くも人に懐きすぎ感が否めませんでした。

本物のオオカミさながらの”野性味”は、残念ながらあまり感じられず。

とはいえ、本作は2万年前に芽生えた「人間と動物の友情」を描いた作品でもあり、アクション映画というよりもドラマ要素が強い作品でした。

映画成功の裏でボイコット運動も

森を見つめる犬
Photo by Jason Abdilla on Unsplash※イメージ画像です。

2018年に封切りし、美しい映像美と内容で興行的にも成功を収めた アルファ 帰還りし者たちでしたが、実は上映に際してAHAやPETAからボイコット運動を受けていました。

  • AHA(American Humane)1877年にアメリカで設立された非営利団体。動物を人道的に扱うための監視機関として知られます。
  • PETA(People for the Ethical Treatment of Animals)アメリカで設立された動物の権利運動団体です。(動物の倫理的扱いを求める人々の会)

本作には動物の「バイソン」が登場するのですが、映画の撮影のためにバイソンを”殺害した”といった疑いが。

撮影の内容を調査したり、上映のボイコットを訴えるなど、ちょっとしたトラブルになっていました。

これに対し、制作側からは以下のような回答が得られています。

バイソン狩りを行っているシーンはCGでの演出であり、バイソンの死骸が映るシーンのバイソンは、食肉加工会社から購入した「バイソンの死骸」 (狩りによるものではなく、自然の中で絶命しているバイソンという設定)

“食用”なのか”娯楽目的”なのかで話は平行線に

結果として映画は公開となりましたが、AHAやPETAの倫理観では “食用”として殺害されたバイソンを”映画”で使用 した事に問題があるという話に。

つまりは、結果として”娯楽目的”で屠殺が行われたに等しいという見解なわけです。

週刊誌「ザ・ハリウッド・レポーター」が動物虐待はなく”誤解である”という見解を示すなど、話は平行線のまま?で収束していった感があるようですが、なかなか落とし所の難しい問題ですね。

“狼”を演じた”犬”の正体とは?

移動する狼の群れ
Photo by Eva Blue on Unsplash※イメージ画像です。

野性味溢れる?オオカミのアルファですが、実は本物のオオカミではなくチェコスロバキアン・ウルフドッグ(Czechoslovakian Wolfdog) という犬種で、俳優犬の”チャック”という犬がアルファを演じました。

また、ザビーというチェコスロバキアン・ウルフドッグもチャックの代役として控えており、他にも4匹の犬が”取り巻き”として登場しています。

上記の動画を見ると非常にフレンドリーな印象を抱きますが、チェコスロバキアン・ウルフドッグはオオカミの血も濃く、やはり警戒心がかなり強いようです。

撮影開始の約5ヶ月前から映画撮影の雰囲気に慣れさせ、役者とは約2ヶ月半前から接していたとのこと。

因みに他の演技犬であれば1〜2週間なのだそう。

いかに警戒心が強い犬種なのかがわかりますね。

ただ、チャックは若年でブリーダーから購入され、トレーナーと共にドッグショー等へ出掛けていたようなので、社交的な性格に育っていったようですよ。

チェコスロバキアン・ウルフドッグってどんな犬?

チェコスロバキアン・ウルフドッグ
By Margo-CzW, CC BY-SA 3.0, Link

チェコスロバキアン・ウルフドッグは、旧チェコスロバキア時代にチェコスロバキア軍が導入した犬種。

ドイツ原産のジャーマンシェパードカルパチアン・ウルフ(ヨーロッパオオカミ)を交配させて作出された犬種で、見た目にもオオカミのワイルドさが残っていて、かなりかっこいい犬種ですよね。

体高が60cm〜、体重は20kg〜ほどで、1982年にFCI公認となった比較的新しい純血種です。

単に狼と交配させた「ウルフドッグ」とは異なり犬種として認められている、オオカミに最も近い犬種の一つなのです。

FCI(Fédération Cynologique Internationale)AKCやJKCなど、世界の畜犬団体を統括している団体。

氷河期のオオカミを深堀りしてみた

群れの中で遠吠えをする狼
Photo by Thomas Bonometti on Unsplash※イメージ画像です。

「アルファ 帰還りし者たち」は2万年前の氷河期を舞台にした話ですが、アルファはどの種類のオオカミがモデルになっていたのかを考えてみました。

そこでまず疑問になったのが、氷河期のヨーロッパに生息していたオオカミは、

  • 何という種類?
  • 現在にも存在している?

といった疑問。

氷河期時代、どんなオオカミが存在していたのかを見ていきましょう。

約1万年前に絶滅した「ダイヤウルフ」

ダイヤウルフとタイリクオオカミの比較
タイリクオオカミ(左)とダイヤウルフの比較Sergiodlarosa, CC 表示 3.0, Link

大人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」やゲーム等でも登場しているので名前をご存じの方も多いですが、1万年以上前の氷河期にはダイヤウルフと呼ばれるオオカミが生息していました。

「fearsome dog(恐ろしい犬)」という呼称も持つダイヤウルフ。

マンモスを襲ったり、サーベルタイガー(スミロドン)ともライバル関係に合ったというほど凶暴なオオカミで、集団で狩りを行っていたと考えられています。

「アルファ 帰還かえりし者たち」は2万年前の話なので、ダイヤウルフは存在していた可能性が高いですが、発掘されているのは

  • 北アメリカの平原や森林、山岳地帯
  • 南アメリカのサバンナ

など。

映画の舞台となっているヨーロッパには、生息していなかったと考えられます。

残念ながらダイヤウルフは約1万年前に絶滅した種ですので、現在はお目にかかることができません。

結論:タイリクオオカミが有力?

タイリクオオカミ
Chris Muiden, CC 表示-継承 3.0, Linkによる

地質学的時間スケールでは、85万年〜4万年前にあたるアービントニアンⅡ(と呼ばれる時代?期間?)に「Canis lupus(オオカミ)」が登場。

オオカミ = タイリクオオカミという認識が強いですが、タイリクオオカミにはたくさんの亜種が存在し、オオカミの言わば源流とも言うべき種なわけです。

そこで、作中に登場するオオカミたちに最も近いのは、タイリクオオカミ/ハイイロオオカミと勝手に予測。

明確な亜種はわからないものの、2万年前の話ということで、ほぼタイリクオオカミで決まりでしょう!という結論に至りました笑 ※あくまで、個人的な見解です!

氷河期に生きたオオカミが現在に

夜空に浮かぶ犬のシルエット
Photo by Alireza Afkar on Unsplash

前項では アルファ 帰還りし者たちに登場するオオカミたちはタイリクオオカミをイメージしている!と結論づけてみましたが、2018年にはシベリアの永久凍土からオオカミの頭部が発見されています。

非常に保存状態の良いオオカミの頭部のミイラで、おおよそ3万年前のものであると結論付けられていますが、特徴的なのがその頭部の大きさ。

頭部の大きさだけで40cmもあり、現在のオオカミの頭部(23cm〜28cmほど)と比較するとかなり大きな頭部となっています。

前述の「ダイヤウルフ」では?という憶測も出たようですが、発掘された場所から推測するとダイヤウルフである可能性は低く、可能性としてはすでに絶滅している「ベリンギアンオオカミ(Beringian wolf)」である可能性が高いとのこと。

1万8000年前の”子犬”も発掘されている!

同年には1万8000年前の「イヌ」もシベリアの永久凍土から発掘されており、調査の結果、この犬は生後2ヶ月のメス犬であることも判明しています。

「ドゴール(Dogor)」と名付けられたこの犬は、被毛や鼻の組織、歯、口ひげなども無傷の状態で発見されているため、今後の研究に大きな役割を果たすと期待されます。

犬の祖先はオオカミですが、“ドゴール”がより詳細な情報を提供してくれるかもしれませんね。

研究結果を基に描いた映画作品

犬の家畜化に関しては、東アジア〜中東で犬との交流・家畜化が進んだという考えがこれまで一般的となっていました。

しかし、2013年に犬の家畜化はヨーロッパの狩猟民族から始まったという研究結果が発表されました。

さらに2017年には、2万年〜4万年前に始まったという具体的な研究結果も発表され、近年ではこちらの説が濃厚になってきています。

まさしく「アルファ 帰還かえりし者たち」とリンクしている研究結果であり、映画はこの研究結果を基にしているとも考えられます。

人と狼との出会いと共存を描いた洋画

私は犬が大好きで犬種の系統図とかも楽しく見てしまうタイプですが、実はこのオオカミの歴史というのも相当に興味深いもので、かなり奥が深い世界になっています。

犬の歴史の元を辿るとオオカミの歴史が拡がっているわけですが、突き詰めていくとかなり長い記事になってしまうため、また別記事でご紹介できればと考えております!

そんなこんなで今回は映画 アルファ 帰還りし者たちについてご紹介してきました。ほぼオオカミの話になりましたが(笑)

私はNetflixで見ましたが、Huluでも配信されているようなので、ぜひ見てみてください!

人とオオカミとの共存を描いた本作なので、犬好きの方なら絶対に楽しめるはずです!おすすめです!

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