癌を患ってしまった犬や闘病中の犬は体力も低下してしまい、食欲も大きく減退してしまいがち。
- 健康なとき
- 闘病中のとき
- 病後のとき
このように愛犬の状態に合わせ、食事から健康を支えてあげることは、飼い主さんが家庭で行えるサポートのひとつです。
今回は癌など、病気を患ってしまった犬に最適な食事の考え方について解説していきます。
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犬の食事から癌と戦える体作りを

犬の食事を見直していくことは犬の免疫力向上にも役立ち、癌と闘うための体作りに欠かせない重要な要素となります。
というのも、”癌そのもの”を攻撃する手術や投薬治療は、過酷な治療を耐え抜けるだけの身体・体力があってこそ。
体力が低下している場合は、受けたい治療も受けられないという事態を引き起こしてしまいます。
たかが食事と油断せず、食事から癌を克服するつもりで取り組むことが大切です!
がんの治療は、外科手術や抗がん剤治療、放射線治療など、がんそのものをやっつけるための治療に目が向きがちですが、実はそれらの治療を成功に導くためには、「がんに負けない体作り」を同時に行うことがたいへん重要です。
癌と戦っている愛犬に少しでも手厚いサポートを施せるよう、治療だけではなく、食事の面からも愛犬のサポートを行い、飼い主さんも一緒に愛犬の癌と戦っていきましょう。
衰弱している場合も食事から免疫力の向上を!
癌が要因となり、様々な病気を引き起こしてしまうケースも少なくありません。
病気をして食欲が低下するのは、犬も人間も同じだよ!
重要なのは量を食べさせるのではなく、的確な食事のバランスを知ることです。
癌と戦える強い身体を取り戻すため、少ない量でもより効果的に、より的確な量の食事を与えて免疫力を向上していくことを目指していきましょう!
癌を患う犬に適した食事のバランス

がんを患っている犬には、
- 炭水化物を控えた食事
- 良質なタンパク質を適度に摂取
- 高品質な脂質をしっかりと摂取
以上のポイントをおさえた食事管理が、一般的には理想と考えられています。
癌以外の病気も患っている場合はこの限りではありませんが、「癌」と闘うためには上記のポイントを意識した食事を目指すべきです。
では具体的に、それぞれのポイントがどのような理由・意味があるのかを説明していきます。
炭水化物が癌細胞の”エサ”に

癌を患っている犬には「炭水化物を控えめにした食事を与えましょう」というのは、聞いたことがあるかもしれませんね。
これは癌細胞は糖質(中でも単糖類)を”エサ”にしていると考えられているからです。
犬のエネルギー源となる糖質は、炭水化物をはじめとした食材を摂取することで、体内で糖質と食物繊維に分解されます。
糖質をはじめとする栄養素を癌細胞が横取りしているから、食べても痩せていってしまうということだね。
糖質をコントロールする事が大切
「それならば炭水化物を摂取しない方が?」
と、単純なことではありません。
犬や猫にとって炭水化物は、「糖質=エネルギー」を作り出すのに欠かせない重要な栄養素です。
最新の臨床栄養学では癌を患う犬の食事のうち、炭水化物の割合は25%以下(乾物ベース)が理想的という情報も。
ここでも単純に「グレインフリー(穀物不使用)」を過剰に意識するのではなく、癌を患う犬にとって最適な炭水化物の摂取方法・摂取量を理解することが大切。
「玄米」や「大麦」は炭水化物でありながら、糖の吸収をブロックしてくれる炭水化物なので、原材料表記を意識しておこう!
タンパク質を横取りして増殖する癌細胞

肉食でもある犬にとって、タンパク質も欠かせない栄養素のひとつ。
そして、残念ながらこのタンパク質も癌細胞の”エサ”となるものです。
癌細胞は犬の体内からタンパク質を横取り・利用することで増殖を行います。
癌細胞に横取りされないよう、スムーズに消化・吸収(=癌細胞の増殖を防ぐ)できるタンパク質の摂取がポイント。
最新の臨床栄養学では全体の割合のうち、タンパク質は30〜45%(乾物ベース)で摂取するのが理想的とされています。
消化のしやすい高品質なタンパク質の摂取が重要で、癌に横取りされない程度のベストな量を摂取することが大切になります。
脂質は癌を患う犬に最適なエネルギー源
脂質はエネルギー源にもなる栄養素ですが、摂取しすぎると肥満を引き起こす要因となるものですね。
一方、癌細胞は脂質を有効に利用することができないと考えられています。
癌を患っている犬にとって、脂質は理想的なエネルギー源と考えられるね!
最新の臨床栄養学では全体の割合のうち、脂質は25%〜40%(乾物ベース)で摂取するのが理想的とされています。
オメガ3脂肪酸は免疫力向上に必須

「オメガ3脂肪酸」は、犬自身の免疫力向上にも良い効果を与えてくれるものなので、闘病中に関わらず日頃の食事から摂取しておきたいもの。
DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は、癌細胞の成長・転移を抑制する効果を持つと考えられています。
最新の臨床栄養学では、全体割合で5%以上(乾物ベース)のオメガ3脂肪酸を摂取するのが理想的とされています。
オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸
免疫力を向上させてくれるオメガ3脂肪酸。
一方、注意が必要なのが「オメガ6脂肪酸」で、逆に癌細胞を元気にさせてしまう可能性があるとの指摘もあります。
健康体であれば犬にも不可欠なオメガ6脂肪酸。ですが、癌を患っている場合は避けるべき栄養素に。
主に「植物油」や「植物性脂肪」に多く含まれるオメガ6脂肪酸。
意外と多くのドッグフードに使われているので、原材料表記をチェックしておきましょう。
次のページでは、癌と闘う愛犬に向けた、おすすめのドッグフードを紹介していくよ!